先生と生徒のカップルがこんな多いところから、こんな学校どうよって感じ:貴志祐介 「悪の教典 上」


待ちに待った「悪の教典」。
一度は出張中に順番が回ってきてしまい泣く泣く手放し、再予約してやっと手に入れた!

予想をはるかに超える、ぐんぐん吸い込まれる感じ。
読み出したら次へ次へと進んでしまう。
が、それと同時にまったくもって気持ちのいい作品ではなかった。
むしろ私にとっては、“胸糞悪くなる話”という表現がぴったりのもので、一度本を置いてしまうと、続きを読むのが苦痛でしょうがなかった。

物語はというと、蓮見という教師が主人公。
この人、“いつも生徒のことを思っている”という態で、生徒からは非常に慕われていて親衛隊までできてしまう人気ぶり。そして先生、特に教頭先生からは絶大なる信頼を得ている。

が、その裏では異常な精神の持ち主で、モラルというものが欠落している。

それこそ最初は、他の先生がしり込みするようなことも積極的に請け負ったり、生徒たちの心強い味方みたいな言動を取っているから、蓮見が“被害者”になるという物語かと思った。
でも学校以外のプライベートのところで、カラスや大家の犬を非常に嫌っている様子から「ちょっとこの人、表と裏ありすぎじゃない…?」と思い始める。
挙句の果てには、朝ギャーギャー鳴かれてうるさいから、という理由だけでカラスを殺してしまう。そこで“この人が加害者の物語なんだ”と悟った。

そうは言っても、学校を良くするために人を排除するのは仕方ないよね、というスタンスなのかと思っていたのに、実際は完全なる“自分のため”に人を排除したり、操ったり、そして殺したりする。
この異常な性格は子どもの頃からのようで、どうやら自分の息子は人を殺しているらしいと気付いた両親まで殺してしまう。しかも頭がいいものだから綿密に計画して、いわゆる“完全犯罪”を犯し続けるのだ。

そんな異常な蓮見のことをなんとなく不審に思っている生徒が3人。
蓮見が担当を持つクラスの片桐怜花。彼女は非常に勘が鋭く、皆が慕う蓮見のことに恐怖を抱いている。
そしてその友達の、やはり同じクラスの夏越雄一郎と、違うクラスで賢い早水圭介。
怜花が勘で怖がっているのに対して、圭介は頭脳で、学校で次々と起こる事件がおかしいと思っている。
さて次巻でどうなってくるのか…ドキドキ
できたらこの三人は無事でいて欲しい!!!


貴志祐介 「悪の教典 上」 2010年 文芸春秋

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