今村夏子「むらさきのスカートの女」

本屋さんで見かけて面白そうな本だな、と思って、「読みたい本」リストに入れつつも手を付けていなかった本書。
美容院に行った時に本を読んでいると、アシスタントの子が本好きと見て、「『むらさきのスカートの女』面白いですよ!」と勧めてきたので、2回くらい読まずに美容院に行ってから、ようやっと読んだ。

うーーーーーーーーーーーーーーん…面白いかな…

普段、エンターテイメント系の本を読むことが多いせいか、あんまりしっくり来なかったよ…
ふーん…これが芥川賞受賞作なのか…私の理解力足りないせいか、何が良かったのかがよく分からず…

簡単にあらすじを言うと。

「わたし」の語りで物語が進む本書。
”むらさきのスカートの女”と呼ばれる、いつもむらさきのスカートを穿いている女性がいた。

ちょっと謎な人物で、毎週クリームパンを買って、いつも同じベンチに座っている。
びっくりするくらい人をよけて歩くのが得意。
不定期で仕事を転々としているみたい。

と、「わたし」の観察が続く。
友達になりたいみたいだが、ちょっと異常な雰囲気を感じる。

というのが、彼女にぶつかってみようとして肉屋のショーケースに激突してしまったり、彼女に仕事をあっせんしようと、アルバイトの雑誌をベンチに置いておいたり、髪の毛洗っていないみたいだから、と、試供品のシャンプーを商店街で配って彼女に渡そうとしたり、でも結局渡せずシャンプーを彼女のドアにひっかけておいたり…

遂には、自分の職場であるホテルの清掃員のアルバイトに導くしまつ。

なので、全然「むらさきのスカートの女」は変な感じがせず、とりあえず「わたし」の異様な観察を延々と読まされている感じ。
まさにストーカー。

それでいて、「むらさきのスカートの女」とあまり接点がないみたいだし、そもそも「わたし」の存在感があまりないみたい。
(なので、最後まで”本当は「わたし」は存在してないっていうオチ!?”と疑いを持ってしまった)

そうこうしているうちに「むらさきのスカートの女」は所長と愛人関係になる。
はじめは「むらさきのスカートの女」をかっていた先輩たちも(皆女性)、愛人疑惑を持つようになってくると、彼女を排除するような動きになってくる。

そんななか、備品が盗まれ、バザーで売られていることをホテルのマネージャーが知り、犯人捜しになった際に、まっさきに彼女が疑われる。
愛人である所長も疑い、彼女のアパートに問いただしにいった際、もめたあげく、所長が二階から落ちてしまう。
当然のように「わたし」はいて、所長が死んでいると判断した「わたし」は、「むらさきのスカートの女」にお金や、自分の荷物がしまってあるロッカーの鍵を渡し、逃げるよう促す。
自分もあとから落ち合うつもりだったのに、まずロッカーに行くと自分の荷物すべてが取られており(本当は一部のつもりだった)、落ち合う先だったはずのホテルにもいなかった。
「むらさきのスカートの女」は姿を消してしまったのだ。

結局、所長は生きており、職場の人と所長のお見舞いに行く。
皆が席を外したタイミングで、お金がすっからかんなので、と所長にお金の無心をするのだった。

最後は、「むらさきのスカートの女」の定位置となっていたベンチで、「むらさきのスカートの女」を待とうと、クリームパンを食べるところで終わる。

とりあえず、「わたし」が不可解すぎて(それがこの本の特徴なんだろうけど)、彼女のキャラクターをつかもうとしている内に話が終っちゃったという感じ。
友達になりたくて、ストーカーのような異常な行動に出ている割には、友達にはなれないわ、むしろ彼女のためにお金はすっからかんになって、家を追い出され漫喫生活って、え…いったい何がしたかったの‥‥‥‥と狐につままれた感じ。

前述通り、「わたし」は実際には存在しないのか!?とか、「わたし」は黄色いカーディガンを着ているらしいから、補色の関係だから仲良くなれないの?とまで妙にうがった見方までしてしまったけれども、それほどにどうリアクションをとったら良いのか分からない本だった。

今度、美容院に行った時になんて言おう…


今村夏子「むらさきのスカートの女」2019年 朝日新聞出版

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