『イリアス(上)』ホメロス

オデュッセイア』を先に読んでしまって、順番は逆だなとは思いつつ読んだ『イリアス』。
なにげに2021年最後の読了本だった(これ書いているのは2022年だけど)。
正直のところ、『オデュッセイア』の方が面白かったかも…なにせ、こちらはずー--っと戦争のシーン。

それでも、やはり現代ではない感覚で書かれているので、非常に興味深いことには間違いない。

まず興味深いのが、トロイア戦争の初めから描かれているのではなく、終盤を描いているところ。
しかも何の説明もなく、突然、アカイア軍の総帥アガメムノンとかの有名なアキレウスの喧嘩から始まる。その後も、現代の小説のように過去にさかのぼって事情を説明したりもされないので、トロイア戦争のことを知っているのが前提となっているのが分かる。

あと、めちゃくちゃ登場人物が多い!!!
大体はそんなに重要人物ではないのだけれども、ちょっと出てくる人物についても、その来歴や、なんならご先祖様の話まで出てくるものだから、”ひょっとして重要人物なんじゃ…?”と思ったらあっさり死んじゃったりもする。
そういうことで、戦争の情景が集中的に描かれることなく、脱線のようなものも沢山出てくるので、心の余裕がないと楽しめないかも…と思った。ちなみに、私はとっては非常ー--に面白かった。主要人物でなくても、ちゃんとその人の歴史があって、時には神と交わりもあって、と読むと面白い。

そんなこんなで、『オデュッセイア』のようにあまりストーリーラインというものがない。
とりあえず、上巻ではトロイエとアカイアが戦っていて、トロイエにはアプロディテ、アレス、アポロがつき、アカイアにはヘレ、アテナイがついているけれども、ゼウスの判断により神々は戦いから手を引くことになる。アキレウスは冒頭でアガメムノンと喧嘩し、上巻を通して活躍はない。そのためアカイアは劣勢が続き、アキレウスに出てくるよう懇願しても応じない。トロイエ側ではヘクトルがめちゃくちゃ強い。
というのが、身もふたもないおおざっぱな話かと。

昔、「トロイ」という映画があって、アキレウスがブラピだったのは非常ー--に納得がいかなかったけれども、エリック・バナのかっこいいヘクトルとオーランド・ブルームの情けないパリスは妙に合っていて、本を読んでいる時もこの二人のビジュアルがちらついた。

さて、下巻を読もう!


ホメロス『イリアス(上)』松平千秋訳、1992年、岩波書店

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