「土地の名ー土地と記憶をめぐる旅」@長崎県美術館

行った日:2021/11/3
本日のBest:横手貞美《アトリエの中庭》
★★★☆☆

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感想

旅先でそこの美術館に行く最大の醍醐味は、その土地出身の画家の作品に出会えることかもしれない。
ということで、旅行先の長崎で長崎出身画家の展覧会が開催されていたのはラッキーだった。
本来は長崎県美術館は旅行プランに入ってなかったけれども、ポスターを見て、「素敵な絵!」となって急遽行くことに。良い決断だった!

まず長崎県美術館の建物、かっちょいー---!とテンション上がる。
設計は隈研吾氏と日本設計らしい。

さて企画展となる「土地の名-土地と記憶をめぐる旅」はというと、印象的だったのは最初の方の松尾敏男氏と横手貞美氏の作品かな。

特にポスターになっていた横手貞美氏の作品は、彼の作品を見て「行こう!」となったくらいなので、その期待を裏切らなかったと思う。
また、作品群から画家としての葛藤が見えるのも、初めて知った画家だけれども人間味を感じられて良かった。
ポスターを見たときから佐伯祐三の作品に似ているなと思っていたら、佐伯祐三の友人だったらしく、佐伯祐三の死後も彼のスタイルに引きずられて、そこから抜け出すのに葛藤があったとのこと。
個人的には、佐伯祐三スタイルが結構好きで、似てるとはいえ、佐伯祐三よりちょっと明るい感じがして好きだった。

長崎県美術館に行かなければ出会えなかった素敵な作品にめぐりあえたという意味で、おおむね満足だったけれども、一点、展覧会の構成について難癖つけるとしたら「4.戦争の記憶」がちょっと唐突だったかなー…ということ。
長崎にとって非常に重要なテーマであることは分かるけれども、そこまでイタリアやフランスといったヨーロッパをテーマにした作品が続いた中、突然、戦争テーマが出てくると、ちょっと頭がついていかなくて集中できなかった。もう少し違ったプレゼン方法があったんじゃないかな。。。

と引っ掛かりはあったものの、それはほんのちょっとであって、全体的には面白かった!
常設展でも、スパイ(!)だった須磨彌吉郎氏のコレクションも見ごたえあったし、池野清展も色合いがとても素敵だったということも記しておきたい。

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印象的だった作品

図録を買わず、ポストカードもなかったので、印象的だった作品すべての画像はないけれども、写真OKだったところと、長崎県美術館のアーカイブページへのリンクを備忘用に貼っておく。

松尾敏男《朝光のトレド》(長崎県美術館サイトへリンク)

実際にトレドに行ってみたらこんなにコントラストが激しくなかったけれども、結局作品にした際に、当初の構想通りコントラストを激しくしたとのこと。
リアルではないんだろうけれども、逆にリアリティを追求しなかったせいか、色といい雰囲気といい、メルヘンチック(いい意味で)で素敵だった。大きな作品だったからこそ、説得力のあるメルヘンチックさだったのかも。

松尾敏男《素描 サン・マルコ》

これだけではなく、全体的に素描が素敵だった。素描とはあるものの、作品にも匹敵するくらい。ちゃんとしたデッサンというわけではないので、おしゃれな作品という雰囲気だった。
特に、サン・マルコ広場の素描は、本番の作品よりも素敵で、素描の素敵さが本番になると出ていない感じがしてもったいないなーと思ってしまった。

山本森之助《冬のセーヌ》

色合いがとっても素敵だった。朝なのか、全体的に紫がかったグレーの中に、非常にきれいな色のピンクやクリーム色、水色が、絶妙なバランスで置かれていた。
空の雲の質感と、水のなめらかな質感との対比も面白かった。

山本森之助《街角》

なかなか面白い構図。色が特別きれいってわけではないんだけれども、こういった色彩も好きだなーと思った。彩度が低くて、しかもちょっと灰色がかかった、決してきれいな色ではないんだけれども、汚い色の一歩手前具合が、なんか好き。

横手貞美《小口運送屋》

黒が効果的に使われている気がして、しかも黒が画面を暗くしないくらいの量で描かれているのが好きだな、と思った。佐伯祐三のことを精通しているわけではないけれども、佐伯祐三の場合はこれよりも黒が強いイメージ。
でも横手貞美の場合は、黒が他の色を引き立たせる役割を担っているように見え、特に壁の赤が、ところどころ鮮やかなきれいな赤をしているので、それが嫌味のないレベルで輝きを放っているように見えた。

横手貞美《牛肉屋》

先ほどの作品もそうだけれども、こうやって全体的に明度の低い色彩の中で、鮮やかな赤やスカイブルーをちょっとだけ置く、という色彩センス、めっっっちゃ好きです。
上の白っぽい壁の質感も好き。
こちらを「今日のBest」もしようか迷ったくらい、好きな作品だった。

横手貞美《アトリエの中庭》

本日のBestでございます。

色彩は上で行った通り、彩度の高い色がちらっちらっと入るのが最高に好きなんだけれども、
色彩だけではなくて、ひっかいたり、厚く塗ったりといったディテールや、線も好きーとなった。
そうした細かいところも、がっつり写真撮らせてもらいました↓

他の作品もこうしたディテールがあるんだけれども、この作品はみっちりと駆使されていて、楽しんで描いていそうだなという雰囲気を感じたので、本日のBestにした。

横手貞美《小間物小店、14区》

しつこく言ってしまうけれども、これも軒先につるされた商品の色が好き。
自分で絵を描くときも、こういう色彩になりがちなくらい、この色調好みなのです。
あと、キャンバスの地に色を付けておいて、こうやって全塗りせずに描くのも、結構素敵だな、という参考にもなった。

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