会社員しながら芸術学を学ぶのはありか、なしか?

現在、会社勤めをしながら、京都芸術大学の通信制課程の芸術学で学んでいます。
芸術学を学ぼうと入学したのは、もちろん美術や芸術に興味があったからですが、普段はまったく関係のない仕事をしています。

それでも学ぶメリットや意義があるのか、それとも止めとけばよかった…なのかをお伝えしたいと思います。

ちょっと興味があって、迷わっている方へ参考になればと思います。

通信制大学で芸術学を学んだ経緯

まずは、通信制大学で芸術学を専攻するにいたった経緯をお伝えしたいと思います。

別でも書いた通り、その頃、仕事が嫌で嫌で(といっても左遷された訳ではなくて、むしろ昇進はしたのですが…)、やさぐれた気持ちを緩和するために、潤いが欲しい!ということで、好きな美術に関わりたいという想いからたどり着きました。

カルチャースクールなどで学ぶのも選択肢の一つだったのですが、それよりもディープに、じっくりと系統立てて学びたいという気持ちがあったので、通信制大学に行きついた感じです。
本当に”たどり着いた”という言葉が適切だなと思うのが、ネットで色々と検索していると、京都造形大学(当時)の通信制大学の広告がばんばん表示されるようになり、そこからのぞいたら…みたいな感じなので、ある意味、まんまと誘い込まれたとも言えるかもしれません(笑)

最初から「芸術学」一本で考えたのではなく、日本画にも興味があったので、どっちにしようか迷いました。
そこは説明会に参加して決めました。
説明会では、通信制の卒展や、学科ごとの説明会、座学系であれば模擬講義がありました。
学科ごとの説明会では、まだ揺れ動いていたのですが、卒展を見て、「仕事しながらこの大きさ描くのはやっぱ無理」と思ったり、あまり好みのタイプの作品がなかったのもあって、日本画はきっぱり諦められました。
また、芸術学の模擬講義を受けてみて、「めっちゃ楽しい」となったので、そこで入学の意思が固まったとも言えるでしょう。
ですので、説明会に参加して、実際の学生の作品や先生方に触れたのは、非常に有意義だったと思います。

入学してみて思ったデメリット

次に、始まってから「しまったな…」と思った点です。
大きく、3つあります。

  1. かかる金額は授業料だけではない
  2. 時間の工面が大変
  3. コミュニティの和が広がるわけではない(人によると思いますが)

1.かかる金額は授業料だけではない

考えてみたら当たり前なのですが、ざっくり授業料以外でこんな費用がかかります。

  1. スクーリング費用
  2. スクーリングのための交通費
  3. 教材費
  4. 必要に応じて本代

1.スクーリング費用
芸術学では、大きく「テキスト科目」「Webスクーリング科目」「スクーリング科目」と3つの科目に分かれています。
「テキスト科目」は、与えられた課題に対してレポートを作成し、そのレポートが合格するとオンライン上のテストを受けて、合格点に達すると単位がもらえる、というものです。
「Webスクーリング科目」は、動画教材を見て、最後にレポートを作成し、それが合格すれば単位がもらえるものです。
「スクーリング科目」は、土曜日、日曜日と二日間コースで大学に行き、講義を受けるものです(現在はコロナの影響で、オンラインになっています)。

この「スクーリング科目」が、授業料に含まれておらず、別料金になっているのが「なぬ…」となったところです。
入学前に説明はあったと思いますが、あまり覚えていなかったのと、スクーリング科目にも必須科目があったのとで、「なぬ…」となりました。
あと、仕事の関係上、都合がつかなくなったらキャンセル料払わなくてはいけないのが、地味に悔しいです…

2. スクーリングのための交通費
まぁこれもしょうがないのですが…
また、幸い、関西圏に住んでいるので、大学のある京都は行きやすく助かっています。

因みに、京都芸術大学は東京にもありますが、東京のスクーリング費用は京都より高いです…

今はコロナのため、オンラインになっているので、交通費かからない分、助かっています。
また、スクーリング科目によっては東京でしかやらないものもあるので、それがオンラインで、しかも京都のものと同価格で行われているのは、良かったなと思っています。
とはいえ、京都行くのは楽しかったので、そこは残念なところではありますが…

3. 教材費
学部の必須科目に関しては、入学時に無料で教材が配られますが、テキスト科目によっては有料になるものもあります。

4. 必要に応じて本代
これは勉学する上では当たり前といえば当たり前だとは思いますが…
特に、大学に通学するわけではないので、美術に特化した本がそろっている図書館に行けないのは、結構厳しいところがあります。
図書館に取り寄せてもらうといったサービスもありますが、気軽にどんなものか見たい、といったことはできないですし…

2. 時間の工面が大変

覚悟はしていましたが、これは結構大変です。

これは通信制の特徴だと思いますが、強制性はないので、本当に自分で時間を見つけて、強い意志をもって取り掛からないといけないのが、結構大変…

例えばテキスト科目は、課題に対して、本を探しに行って、読んで、まとめて、3800字くらいのレポートを書いて、更にはテストのために準備して(テストは事前に試験ポイントをもらうので、それに沿って事前準備が必要)、そしてテストを受ける…

その点、スクーリング科目は行ってしまえばOKなので、楽といえば楽なんですが…
おかげで、最初の1年はスクーリング科目ばかりやってました(笑)
因みに、Webスクーリング科目も、動画見て、割と少ない文字数のレポートだけなので、こちらも楽です。

3. コミュニティの和が広がるわけではない

こちらは人によると思いますが、私は一人も大学の友人いません!(きっぱり)

大学の説明会とか広告に、「同じ美術好きな仲間ができる~」的なことが書かれていますが、それは多分、実技系のコースの人か、一部の人かなと。
少なくとも、座学のスクーリングの授業を受けて、グループができているのはほんの一部のように見えます。

ただ、大学の方でも、コミュニティの場を提供しようとしてくれてたみたいなので(コロナ前には気付かなかった…)、本当に仲間を作りたい方はアンテナ張ってたらいいのかと思います。
とりあえず、人見知りな人間には、スクーリングに通って、友達作るのは無理でした(笑)

入学してよかったこと

で、お金をかけてまで勉強し続けてよかったか、です。
特に、仕事や実生活になんらかかわりがないのに、という点で。

結論からすると、私は芸術学を通信制大学で学べてよかったと思っています。
その理由は、大きく以下3つです。

  1. 好きな美術/芸術への理解が深まる
  2. 自信がつく
  3. ”考える”力がつく
  4. とりあえず楽しい!

1. 好きな美術/芸術への理解が深まる

これは一番わかりやすいところかと思います。
やはり、独学やカルチャーセンターの講義からは得られないくらい、深い理解を得られます。

もちろん学部なので、専門性がものすごく高くはないのですが、逆に網羅的に系統立てて学べるので、展覧会などで作品を見る時に楽しいです。
勉強したものが直接的に生かされるわけではなくても、「もしかしたらあれと関連がある…?」とか「これはこの様式なのかな」と、今までとは違う見方になるのは間違えないです。
そういう意味で、美術好きとしては良い機会だったなと思います。

2. 自信がつく

デメリットのところで書きましたが、本当にテキスト科目が大変なんです(そしてこれから始まる卒論も…)。
なので、無事単位がもらえた時には、「なんて私はえらいんだ!」と無条件に思えます(笑)

特に、レポート時には評価があまり高くなく、先生方のコメントを見て「なるほど…」と勉強した後のテストで、前より評価が高かったりすると、勉強の成果が出たと思ってうれしくなります。

ささいなことかもしれませんが、これは結構大切なことなのではないかな、と思います。
普段の会社での仕事のなかでは、「自分が成長したな」と思う瞬間って、あまりなくないですか?
前よりも難易度の高い仕事をこなせるようになったとか、それが高評価につながったとかあるかもしれませんが、大学での学びほど実感がない気がします。

もちろん、これも人によるとは思いますが、学びの場が得られ、その中で成長を感じられるというのは、それが仕事や実生活に直接役立つものでなくても、自信につながると思います。

3. “考える”力がつく

普段、この情報過多の世界で、情報を受け取るばかりで、それを咀嚼し、考えて、それに対する意見を述べる、ということがなかなかないと思います。
むしろ、じっくり考える時間がなかなかなくて、軽く流してしまうことも多々です。

それが、レポートを書く時には、たくさんの文献を読み、それを整理し、またそれについて考えて論述しなければならないので、長らく忘れていた”考える”力がついてくる気がしています。
元々、論理的思考とか得意だと思っていたのですが、長らくやってないなか、久しぶりにレポートを書こうとしたときに、錆びてしまったなと感じました。

もしかしたら、これが芸術学を学んだ最大のメリットだと思います。

4. とりあえず楽しい!

総合して言うと、楽しい!というひとことに尽きるのかと。

確かに、レポート科目とか大変なんですが、やっぱり楽しいです。
3に近いですが、こんなにもじっくり「考える」ということができるのは、最大の贅沢だと思います。

特に、芸術という、仕事とか実生活に直結していないことだからこそ感じることかと。
社会人になって、かなしいかな、仕事のことしかほぼ考えてなかった中で、それ以外の、自分が好きなことに真剣に向き合えるというのは、最大で究極の贅沢だと思います。

まとめ

「会社員しながら芸術学を学ぶのはありか、なしか?」でいうと、私にとっては「あり」が答えになります。

ただし、これは究極の贅沢として、です。
もちろん、これを通して学びはたくさんあります。
でも学びこそが、贅沢品で、ただし自分から奪い取れないもので、最高の娯楽なのではないでしょうか。

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