マイケル・ジャクソンのパロディー部分にはちょっとホロリとした:室積光 「ドスコイ警備保障」


読む本リストを消化しよう作戦の一環。
多分三浦しをんさんのエッセイに紹介されていただろう「ドスコイ警備保障」。
今、相撲業界は何かとごたごたしているけれども、ここに出てくるお相撲さん達はなんともハートウォーミングな方々だった。

これといった話があるわけではなく、ゆるゆる進んでいくのは小路幸也の「東京バンドワゴン」と似たような雰囲気。

話はというと、お相撲さんの再就職先を作ろうということで、警備会社を設立することになるところから始まる。

なんでも大相撲の世界には八百人以上の力士がいるけれども、じっさいに“関取”になって給料がもらえているのは七十人しかいないそうだ。
“大半の人が相撲の世界から一般社会に転進するんだけど、大学相撲出身者はまだいいけど、中学卒業してすぐ相撲部屋に入門した人なんかは、資格もなければ学歴もないわけでしょう?体の大きな大飯食らいが自分の食い扶持を稼ぐだけでも大変なわけよ”(p15)ということらしいのだ。

そんなわけで元横綱の南ノ峰親方の要請で、芸能プロダクションの社長敦子と中学・高校時代の同級生が会社設立に手助けをすることになるのだった。

平和に話が進んでいくので、もちろん警備会社は成功するし、それぞれ幸せになって終わる。
久しぶりにほのぼの・まったりした本を読んだ気がした。


室積光 「ドスコイ警備保障」 2003年 角川書店

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