惜しい惜しいと思いつつ読み終わってしまったMilleniumシリーズ最終巻。シリーズが終わってしまったというより、作者が既に亡くなっているというのがなんとも惜しくてしょうがない。
今回は2巻の即続きの話となっていて、Salanderの裁判までの駆け引きが焦点となっている。
このシリーズの面白いのが緩急の差がはっきりしていること。
面白い!!とスピードが速くなる時と、だらだらした感じの差がすごいある。そしてだらだらとして暫くすると、また突然面白くなる。
例えば今回は、Salander側の話、Blomkvist側の話、Berger側の話がメインとなって進んでいく。特にBergerなんて、あまりメインの話ではなかったりするのだが、Salander達の話がまったりしてくるとBergerの話が急激に面白くなる。リズムというのがあってうまいなぁと思ってしまった。
さて話はというと、2巻ではSalanderの父親Zalachenkoというロシアスパイで、その為にスウェーデン政府に擁護されていたというのが分かる。そしてジャーナリストカップルの殺人も彼の差し金というのが分かり、SalanderはZalachenkoを殺しに行くが、逆に頭を撃たれ、でも奇跡的に生きていてZalachenkoを斧で頭をかち割る、というところへBlomkvistが追いついてくる、というので終わる。
3巻はその直後の話。
驚異的な生命力な父娘は、どちらも生きていて病院へ搬送される。
さてここから、Zalanchenkoをずっとひた隠しにしていた、Sapo(スウェーデン保安警察)の中にあるthe SectionとSalander側の攻防が始まる。
Salanderがティーンエイジャーの頃、母親への暴力に耐えかねてZalanderにガソリンをぶっかけたことがあった。The Sectionが働き、Salanderを精神病院に閉じ込めてしまった。
という経緯があった為、またそのようなことが起きないようにBlumkvistはジャーナリストの力をもって助けようとする。
The Sectionはまず、一番の問題であるZalachenkoを殺してしまう。
そしてBlumkvistの家や携帯に盗聴器を仕掛けて万全を期すのだが、それに気付いたBlumkvistはそれを逆手に取る。
一方Bergerは、Milleniumを去って、スウェーデンで大きな新聞社へChief Editorとして入社する。
が、数々の嫌がらせを受け、中でも厭らしいメールが頻繁に来るようになる。ついには家のガラスを割られるわ、プライベートな写真やビデオも盗まれるわ…
何よりも面白かったところが、BlumkvistからPCをSalanderを受け取ったところ。
Salander stared for a long time at the locked door. And then she lay back and stared up at the ceiling.
(p344-345)
That was when she felt that there was something hard beneath her head. She lifted the pillow and saw to he surprise a small cloth bag that had definitely not been there before. She opend it and stared in amazement at a Palm Tungsten T3 hand-held computer and battery charger.
読者としては“よっしゃぁぁぁあああ!!!”といったところ。
あーしかし本当に面白かった。
SalanderとBlumkivistがタックを組んで事件を解決していくところをもっと読みたかったのに、本当に残念…
Steig Larsson “The Girl Who Kicked the Hornet’s Nest” 2010, translated by R.Keeland, Vintage Books
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