日記はネタ探しが難しい:三谷幸喜「三谷幸喜のありふれた生活2 怒涛の厄年」

先の「ライオンハート」が、読み応えがあったため、ちょっと軽い物が読みたい、と思って手に取ったのが、三谷幸喜の「三谷幸喜のありふれた生活2 怒涛の厄年」でした。

三谷幸喜って、特別文章がうまいわけではないのですが、その人柄が出ているというか、そんな文章の巧拙に関わらずおかしい生活を過ごしていらっしゃるというか・・・。

しかし、三谷幸喜の生活って、三谷幸喜の描く作品に似たところが沢山あるというか。一生懸命生きているのだけれども、それが傍から見るとおかしい、という。

例えば、ぼけてきた、という話で。

「飲み終わったミネラルウォーターのペットボトルを、せっせと水道の水で洗っている自分に気付いた時、言い知れぬ不安を感じたのはつい最近のことだ」(p128)

ということで、脳のスキャンに行くのですが、そこで

「あれは何の音ですかと先生に尋ねたら、検査室内の電磁波をほにゃららするために、ほにゃららしているのですと親切に説明してくれた(極度の緊張のため、ほとんど覚えていない)」

とのこと。ああ、検査している先から!と、思わずつっこみたくなってしまう。
当たり前のことながら、作品ってその作者の人柄が、よく出ているものなのだな、というのが、エッセイを読みつつ作品をみると分かるのでした。

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