確かにエレベーターって怖いよね:小池真理子「墓地を見おろす家」


これまた納涼!と題したホラー小説交換会でゲットしたもの。
夏に読んだ方が楽しかったであろうに、寒い秋に、しかもヨーロッパで、となるとあまり臨場感がなかった。
というか、今更だけどホラー映画は大変怖いけど、小説は全然平気なのよね~私。
ということでまったく怖くなかったです。

格安のマンションを購入した加納家は、幼稚園に通う娘が一人いる3人家族。
そのマンションはそこそこ都心なのに、大変安いし環境もいい。ただ問題なのはマンションの下には墓地が続く。しかも焼き場付き。

次々の奇怪なことが起き、続けざまに住人が引っ越していってしまって、最後には加納家とあと一家族、それと管理人夫婦だけになってしまった。
次々と起こる怪奇現象に、残りの一家族も音を上げ、とうとう引っ越してしまう。

引越しの日には霊の邪魔が入ったりするのだが、その家族はなんとか出て行けた。
一方加納家は、家を探し続けるのだが、やっと見つけたと思ったらそこが火事にあったり、そこの住人が急死したり、と家が決まらない。

とうとう管理人夫婦も一足先に引っ越してしまった。
ようやっと引越しの日になったら、完全に閉じ込められて…というお話。
最後のオチとしては(めっちゃネタばれです)



霊に飲み込まれるんだろう、という暗示で終わるのだが、あんま怖くないよなぁ~と思ってしまった。
途中で夫の弟夫婦が飲み込まれるのだが、そこも詳細がないので怖くなかったし。

なんだろう、お化け(霊なのかお化けなのかが、この小説でははっきりしないのだけれど、墓場がテーマだから霊なのだろう)が飲み込むって、あんまり怖くないよな。
なんか声が聞こえる!とか、何かの気配がある!とかそういう、何がなんだかよく分からない、はっきりしなささが怖いんだと個人的に思うのだけれど、飲み込むだとか、直接的な危害がはっきりすると全然怖くないんだな。

それだったらエイリアンみたいな不気味な(絶対触りたくもないようなブツ)ものが追い掛けてきて、それからワーキャー逃げるっていうテーマの方が怖いような気がする。

ということで、途中まではまぁまぁ怖かったけど、最後のオチて一気に怖くなくなった、というのが正直な感想だった。


小池真理子 「墓地を見おろす家」 平成5年 角川書店

コメント

タイトルとURLをコピーしました