映画にできそうな小説:デイヴィッド・ローゼンフェルト「弁護士は奇策で勝負する」

大分昔に妹が家に置いていった小説を今更読んでみた。
妹が言っていた通り“まあまあ面白かった”。

偉大な検察官の父親に比べ、割とだめだめな刑事訴訟専門の弁護士である主人公・アンディ。
父親が担当し、死刑判決が下った殺人事件。
その証言に偽りがあったということをある筋から知った、もう一度裁判をおこし、その死刑囚を弁護してほしい、と父親に要請される。
絶対負ける裁判、と分かっていながらも、父親からのお願いだからということで引き受けるアンディ。

ところが、その要請していた父親が突然死んでしまう。
荷物の整理をしている時、額縁に隠されていた写真を見つける。知らない面々と写っている写真に不審を抱いたアンディは、裁判の為の調査と共にその写真についても調べ始める。
捜査を進めると、アンディの身の回りがどんどん危なくなる。
写真の捜査のためか、裁判の捜査のためか…

死刑囚はやった覚えがまったくなく、殺人犯にでっちあげられたようだ、というところや、アンディの身の回りが危なくなるところから、その事件がきな臭い、というところが、なんとなく“Prison Break”を思い出してしまった。
まぁ、Prison Breakのような政治的なものではなかったけれども。
(以下ネタばれ)



殺された女性というのはジャーナリスト。
付き合っていた男性で、第一発見者であった男は、全然釣り合わないくらいのバカ男。しかしその父親は権力者で、なんと写真に写っていた人物。
調査を進めていく内に、殺された女性の母親は、その父親にレイプされ殺されていたことが分かる。

そんな訳で、死刑囚は無罪放免。
親子揃っての捜査が始まるのであった。

ロークライム物を、多分初めて読んだけれども、なかなか面白かった。
Law and Orderみたいだし。
裁判で推理小説となると小難しいのかと思ったけれども、軽いタッチだったので読みやすかった。


デイヴィッド・ローゼンフェルト 「弁護士は奇策で勝負する」 白石朗・訳 2004年 文藝春秋

コメント

タイトルとURLをコピーしました