2005年ってこんなだったのね:横浜信一/萩平和巳/金平直人/大隈健史/琴坂将広「マッキンゼー ITの本質 情報システムを活かした「業務改革」で利益を創出する」

所属している情シス部の中期目標をたてるチームが入ってしまったが為に、慌てて読まなくちゃ!と思って「読む本リスト」に入れていた一冊。

やっとこさ借りてみたけれども、ちょっとタイミング的に遅かったかな…とも。まぁ図書館で借りようというところで熱意が足りないのかもしれないけれど。
その遅いついでに、2005年出版ということで話もちょっと古かった。
何せあのリーマンショック前。ちょうどITバブルが起きている頃。
そんなわけでちょっと今と事情が違う。

あと、一人の人が書いた本だと思ったら(ちゃんと調べていない自分が悪いが)、複数の人のエッセイの寄せ集めで、ちょっと話がかぶるところが多かった。
そんなこんなで、ざーっと斜め読みして終わってしまった。

とりあえずまとめてみると;

「IT投資の質の向上のために」by横浜信一

どうやら本書が出版された時代というのは、第一次IT投入にて計上されたIT資産の償却が終わる頃で、そんなわけでITブームがまた沸き起こっていた頃のようだ。

しかし最初に投入した時に比べたら、企業はIT投入に積極的ではない、なぜなら投入したもののコストばかりかかってその分成果を得られたように感じられないからだった。
というわけで、そもそもIT投資って何か?というところから始める。

曰く、「ITがあって生産性が向上するのではなく、まずはイノベーションや規制緩和があって新しいビジネスモデルが生まれ、それを支える道具としてITを活用する」(p7)ということ。
以下のエッセイも、基本的にこの考え方によっている気がする。

「今度こそ正しいIT投資を」byダイアナ・ファレル、テラ・ターウィリガー、アレン・ウェブ

今度こそ成果の得られるIT投資をしよう、というエッセイ。

それは全体的なIT導入ではなくて、ピンポイント―ここでは“競合との差別化をもたらす生産性向上の「レバー(梃子)」―に合わせたIT導入をはかるべきだ、という。
例えばウォルマートのようなGMS(巨大スーパー)であれば、低いマージン、膨大な商品数、高い商品回転率が特徴となる。それを支えるには商品の滞留時間短縮が必須である。そのため、優れた倉庫管理・輸送管理システムの確立が最重要課題となるわけだ。

賢明なIT投資とは、「何に」「いつ」取り組むべきかを見極めて行うものだ、というのが結論。

「ITの複雑さと戦う」byフランク・マターン、シュテファン・シェーンヴェルダー、ウォルフラム・シュタイン

IT投資が失敗に終わったように感じる理由の一つに、システムが複雑になってしまったというものがあげられる。
エッセイが書かれた当初は新たなITブームが到来しているとはいえ、その前に“コスト削減”という目標がある。
いかに低コストでシステム投入を行うか、という話。

結局それは過去の課題であった複雑なITを紐解いていくのが鍵となる。
つまりはITアーキテクチャーを見直し、アウトソーシングも視野に入れつつ、複雑なシステムを落とし込むというのがポイント。

「IT購買における質と決定者の変化」byケンダル B. デービス、ブライアン L. スキャンロン、ジェレミー D. シュナイダー、オーディッド・バイス

償却が一巡したのでIT投資の余地が出てきたが、前回とは企業が求めているITとはトレンドが異なるようだ、という話。
つまりはニッチパッケージが主流となっているよ、という。

「次世代のCIOとは」byデビッド・マーク、エリック・モンワイエ

経営戦略にCIOも入れて、戦略にITを入れましょう、という話。

「ITをめぐる説明責任と協力体制」byダン・ローマイヤー、ソフィア・ポグレビ、スコット・ロビンソン

説明責任なんてアメリカ人の好きそうな単語…と思いながら読んでいたが、要は、IT部門と事業部門の調和をはからなくてはいけません、という話。

説明責任というとなんだか恐ろしいけれども、IT部門・事業部門ともどもお互いの仕事内容をアウトプットしないと、お互いに理解できず、そしてお互いの理解がないと曖昧なシステムしかできなくてコストの浪費になってしまうよ、という話(多分)。

「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)から利益を得るには」byマイケル・ブロック、シュテファン・シュパン

アウトソーシングはコスト削減につながる一方、リスクもはらんでいる。そのリスクを回避するためには…という話。
自社の能力を洗い出して、それを検討したうえでのアウトソーシングを考えるのが鍵。

「攻勢に出るオフシェア・ビジネス―コスト削減はほんの入り口にすぎない」byジョン・ヘーゲルIII世

これまたアウトソーシングの話だが、アメリカ国内ではなく国外にアウトソーシングする話となる。しかもインドや中国などアジアがターゲット。
ひたすらプラス面の話で、安い上に大変質がいいと言う。

「ドイツ銀行のIT革命―ドイツ銀行ヘルマン-ヨーゼフ・ランベルティ COO兼CIOインタビュー」byフランク・マターン、シュテファン・シュパン
事例。

アウトソーシングとオフシェア・ビジネスを使って成功した例。

「ユニクロの高収益を支える「業務改革」とそれを実現した「IT」―ファーストリテイリング堂前宣夫副社長インタビュー」by萩原和巳

事例その2。
こちらはITをただのツールとして使用し成功した例。
堂前氏によるとIT部門があるなんてナンセンス、事業部の中にITプロジェクトがあるのが妥当だろう、という話。

横浜信一/萩平和巳/金平直人/大隈健史/琴坂将広 「マッキンゼー ITの本質 情報システムを活かした「業務改革」で利益を創出する」 2005年 ダイアモンド社

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