なにげに色んな舞台を観てるよな:三浦しをん「桃色トワイライト」

ひさびさに三浦しをんのブログを読んで、エッセイが読みたくなってしまったので借りてきた「桃色トワイライト」。
いや~なんだか癒される感じがします。

例によって特別な出来事があったわけでもなく、その中でも大きな出来事といえば引っ越したくらい(私の所見ですが)。本当にこんな一見淡々とした生活を書くのがうまいよなぁ~ というか面白いネタを見つけ出せるよなぁ~ これも才能ってやつ?なんて思ってしまいました。

この中ではしをんさんは「新選組!」にはまっていました。
ぐらいしか目新しい感想が書けないのですが。なにせ、例によってああで、例によってこうでという感じだし。

その中で面白い考察を。文楽の「源平布引滝」をみて幽霊に関してのコメント;

 よみがえったり、生き返ったり、幽霊になってもきみに会いにいくよと言ったりというのは、現代では「偉大なる『愛』の力で成し遂げられる奇跡」と解釈されることが多い気がするが、昔のひとは、自然の摂理に反するそうした現象を、「執念」が起こすものと考えていたふしが見受けられる。
 ロマンチックな幻想が入る余地はまったくなく、昔のひとにとって死は死であり、生は生なのだ。その厳然とした事実を、こんなふうに「残酷なまでの一方通行」で表現できるなんて、ホントにすごい。文楽を見るたびに、いくつもシャッポを脱いでしまう。脱いだシャッポが、そろそろエッフェル塔の高さにまで迫る勢いだ。

p117

(三浦しをん「桃色トワイライト」 太田出版 2005年)

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