大変カテゴリ分けが難しいので、一応ファンタジーで:恩田陸「光の帝国 常野物語 」

妹が居間にぽいっと置いていた「光の帝国」by恩田陸を無断で拝借し完読。

あんなに一時期読んでいた恩田陸作品もなんだか遠ざかった今、「光の帝国」はそんな私をカムバックさせる程でもなかった。残念ながら。

常野と呼ばれる一族は、それぞれ不思議な能力を持っている。超能力ともちょっと違うみたいで、例えばものすごい記憶力だったり、長命であったり。それでいて礼儀正しく、ひっそりと暮らしている。
そんな一族にまつわる短編集だった。うーん やはり短編集が苦手だから、そんなに魅力的に思えなかったのか。

その後にそれを再読した妹が、「ポーの一族に似てるものを感じるよね~」と言っていて、確かに私もそれはふと思ったことだったので、さすが姉妹。

ただ「ポーの一族」の繊細さがまったくなく、「ポーの一族」が詩的であるとすれば、「光の帝国」はもっと所帯じみてる感じがする。「ポーの一族」が夢の世界のようにふわふわしていたら、「光の帝国」はもっと生活臭がして、本当にその一族が“いそう”な気がする。

私はそういうの部分がちょっと苦手だったから、あまり魅力に感じなかったのだと思う。
つまり、この一族が「超能力」を持つ一族、というのであればもっと受け付けやすかったと思う。でも「超能力」というちょっと生活臭のただよう力ではなく、もっと浮世離れした力だったってのが、どうにもこうにもこの話の雰囲気と違った気がしたのだ。

もしかして、登場人物が日本人であるのと西欧人であるっていう違いなのか!?

確かにメリーベルだのエドガーだのアランに比べて、鶴先生ってなんか・・・ ってこの2作を比べるのがそもそもの間違えだと思うのだが、設定がちょっと似てるよねーと思ったが最後、なんかそういう目でしか見れなくなった単純細胞の私がいかんのだ。

ということで恩田陸先生はまったく悪くないんだよ、というお話でした。

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