二人がむかついているのか、二人がむかつくのか:三谷幸喜 清水ミチコ 「むかつく二人」

ずっと昔に本屋で三谷幸喜と誰かの対談本をちらっと立ち読みした時、あまりにおかしくて怪しい人物となりかけ、はたと気づいて本を返した。なんでその時買わなかったかというのは、多分所持金がなかったからだと思うが、その後にブックオフにてあさったところ、どうしてもタイトルが思い出せない。多分これだろう、と思って買ったのが「気まずい二人」。なんでその時ちらりと中身を見なかったのかというのは謎だが、とにかく買ってみたらあんま面白くなかった。

そしてそれから随分経って、ついこの間。借りたい本が見つからなくて図書館をウロウロしていたら「むかつく二人」を発見。これだ~~~~~!!! すぐさま借りて一気に読み終わってしまった。

と言っても、怒涛の展開があったり、ものすごく面白くて読み進めてしまう、というわけではなくて、何せゆるゆるしゃべっているものだから、その調子でダラダラ読んでいたら読み終わってしまったという感じ。

本題に入ると、これはラジオ番組を書籍化したもので、三谷幸喜と清水ミチコのおしゃべりが繰り広げられている。本当に“おしゃべり”という感じで、特に題目があるわけでもない。「気まずい二人」の三谷幸喜とはうってかわって、気の置けない相手だから、リラックスして結構饒舌。清水ミチコとなかなかの毒舌合戦があったりするのだが、じゃれあっている感じ。他のエッセイとかからして三谷幸喜は随分シャイみたいだが、ここでは結構キツイことを言ったりしているので、本当に仲がいいのでしょう。だって;

三谷  僕ですねえ、正直に言いますけどこのあいだこの番組「DoCoMo MAKING SENSE」のオンエアを初めて聴いたんですよ。で、すごくやっぱ反省点が多くて。
清水  お?どこでしょう。気をつけたいですね。
三谷  反省点は、やっぱ、一人っ子のよくない部分が。
清水  あ、なんだ三谷さんの、ね?
三谷  うん、僕のね。清水さんのことなんて僕は知らない。どうでもいいですよ。
清水  どうでもいいじゃなくて、清水さん完璧でしたよでいいじゃないですか。そういうとこが一人っ子ですよ(笑)。

p88

なんて、やけに三谷幸喜ってば強気。しゃべり口調とかが分からない分、なんか嫌な奴にも聞こえるくらい。それを笑って流している清水ミチコが大人に見えるくらいだけど、ラジオで聞くとどうなるのか気になるところ。実際、口調だけ聞くと姉さんと弟の会話みたいなところもあるし。

どうやらこれの続編があるみたいなので、読もうと思う。
そしてどうやらまだラジオでやっているみたいなので、ぜひ聞いてみようと思う。

(三谷幸喜 清水ミチコ 「むかつく二人」 2007年 幻冬舎)

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