なにげに三浦流「嵐が丘」の解説が非常に面白かった:三浦しをん「夢のような幸福」

三浦しをんさんの小説を読んだら、エッセイが読みたくなるこの単純さ。だからといって最新刊の「ビロウな話で恐縮です日記(だっけ?)」はブログでタイムリーで読んでいたのもあって買う気もさらさらなく(というか文庫本にならない限りなかなか本は買わないしな)、だからといって図書館で借りれもできず、代わりに借りてきたのが「夢のような幸福」。

始めの2・3ページ読んだ時点で「これは読んだことがあるぞ!!!!」感が高まってきたのだが、自分の読書日記を読んでもこれの感想ページはなく。読書ブログをつけるぞ!と決心した前に読んだに違いないが、何度読んでも面白いので読んでしまった。ま、読み進めるうちに自分があんま覚えていなかったことが判明した、と言ったほうがいいかもしれない。

あいもかわらず三浦しをんさんはゆるい生活をしていらっしゃいました。当たり前ですが。大体において、これは過去の日記で、それ以降の日記も既読なのだから、“あいもかわらず”って言葉は不適切に違いない。それでもなんかホッとしてしまった自分がいた。「三浦しをんさんは相変わらずだな~」って。

就活中に友達と「三浦しをんっていいよねぇ~ あんな気楽な生活しててお金稼げて。やっぱ才能があるってすばらしい。芸は身を助く!」などと言っていた自分は(友達も)、就職をしてしまい、なんだかつまんないなぁ~と思うことも多く、でもやっぱり朝は早く起きなくてはいけなくて、ダラダラできるのは週末のみ。ある意味生活がガラリと変わってしまったのに対して、三浦しをんさんは日記上では(タイムリーな日記ではないですが)、“あいもかわらず”で。

それにホッとしてるってことは、疲れてきてるのだろうか。ま、1年ももう終わってしまうから妙な感傷を抱いているのだろう。

と下手な感傷はここまでにして、「なるほどなぁ~」と思ったのをここに;

…(中略)…女性はたいがい、ストーリーを愛する傾向にあるようだ。…(中略)…
 それに対して、どちらかというと男性は、「猫耳のついたメイド服姿の女の子」といった感じに、キャラクター先行型なような気がする(オタク的誇張のある例で恐縮ですが)。「線」を愛しがちな女性と、「点」を愛しがちな男性とも言い換えられようか。

p13

ん~確かに。一応女性でも「眼鏡男子」好き(あるいは萌え?)とか、「制服男子」好きとかもあるみたいだけど。私の数少ないいわゆる“オタク”的女の子なんかも、そういう“属性”が好きだとしても、そこからだだだだーーーっと妄想、おっと失敬、ストーリー(つまり線)が伸びていく。書道の、ためて一気にぐぐぐぅーーーっと線をひっぱる感じかね。

ま、三浦しをんさんも書いてる通り、一慨にすべての人がそう、というわけではないだろうが。でも面白いな。
これを書いてから随分経っているだろうが、三浦さんはこの考察をどこまで発展させたのだろうか?ちょいと気になる。

(三浦しをん 「夢のような幸福」 2003年 大和書房)

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