やはり海外の小説の挿絵っていかがなもんかと思う:Charles Dickens “OLIVER TWIST”

ディケンズはなんとなく読んでみたいと思っていて、「大いなる遺産」とか読んでみたかったのだが、本屋に行ってみてなかなかの厚さにびっくり。

ということでまずは短めの「Oliver Twist」を読んでみることにした。映画、「オリバー!」を見たこともあったしな。

読む直前に妹に、「オリバートゥイスト!?あんなつまんないのによく読もうと思ったね!話、どんなのか知ってる?」と言われ、軽く殺意というか大変にむかつきというかを感じたが、それにもめげずに頑張った。

そして読んでみたら、挿絵のひどさにびっくり。オリバーとかひどすぎ!あまりにかわいくない!!ということで、「オリバー!」でOliver Twist役だったマーク・レスターの愛らしい姿を思い浮かべて頑張った。

いやねぇ 思っていたより面白かったですよ。最後の方はだれて読むのが面倒くさくなってしまったのも事実だが、古典だからというのもあってか、書き方などが面白かったてのも事実だ。
何せ章の名前ですら;

CHAPTER THE THIRTEENTH IS A VERY SHORT ONE, AND MAY APPEAR OF NO GRAT IMPORTANCE IN ITS PLACE, BUT IT SHOULD BE READ NOTWITHSTANDING, ASA A SEQUEL TO THE LAST, AND A KEY TO ONE THAT WILL FOLLOW WHEN ITS TIME ARRIVES

p291

のように、「○章:○○」というような形式ではなく「○章は○○です」となっている。私の乏しい読書経験からして、こんな章タイトルをちょいとお目にかかったことがなくて面白いなぁと思ってしまったのだ。

もちろん章タイトルだけが面白いというわけではない。
映画ではthe Artful Dodgerが好きだったのに、原作ではあんまり出番がなくちょっと寂しかったが、映画以上に登場人物も多ければその一人一人がキャラクターが際立っている。ちょっとティピカルな感じもしないではないが、(善悪がきっちりしているところだとか)その人物達が入り混じり話の流れていくさまは群像劇を見ている感じがした。

どうやらディケンズの特徴として、主人公が埋没してしまう、というのがあるらしいが(Wikiで見たら)、確かに”Oliever Twist”というタイトルになっている本作でも、オリバー自体はあんまり活躍しない。

大体、この話のビッグイベント(?)の一つとして「オリバーの出生秘密探り」というのが上げられると思うが、それもオリバーが行うのではなく、オリバーの周りの人物が行っているのだ。

それでもマーク・レスターの姿のオリバーはかわいくて仕方がない。オリバーってばしょっちゅう泣いたり震えたりしているのだが、なんか可愛いねぇ。
そしていじらしいんだ、これがまた。Rose達に拾われ、幸せに暮らしている中、体調も良くなったということで(その前にオリバーは撃たれていたので)以前お世話になったMr. Brownlowに会いに行くのだが、もう引き払ってしまっていたというシーン;

This bitter disappointment caused Oliver much sorrow and grief even in the midst of his happiness; for he had pleased himself many times during his illness with thinking of all that Mr Brownlow and Mrs Bedwin would say to him, and what delight it would be to tell them how many long days and nights he had passed in reflecting upon what they had done for him, and bewailing their cruel separation.

p261

いつまでもご恩を忘れずにいるところがなんとも・・・。
こんなオリバーが可愛いと思うのは歳をとったせいだろうか・・・

(Charles Dickens, “OLIVER TWIST, or, The Parish Boy’s Progress; Edited with an Introduction and Notes by PHILIP HORNE” 2003, Penguin Books)

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