興奮が覚めない内に、と急いで「盗神伝」の下巻を読了。
実は前の話では上巻が面白かったので、期待大にして下巻を読んだらがっかり、というハメになった。ということで、期待しないように読んだら、それが功をなしたのか、はたまた本当に面白かったのか、非常に楽しめた。
暗殺者を一人で倒し、無能ではないと証明したはずなのに、一向に人望を得られないエウジェニデス。そんな彼が近衛隊長まで皆に王と認められるまでの話だった。
先ほど、「楽しめた」とコメントしたが、補足すると、物語が面白い訳ではない。
何しろあらすじを述べようと思ったら2行程で終われるくらいで、ジェンが偉業を為したり冒険したりするわけでないのだ。
ただ、“実はああだった”“実はこうだった”という小さなどんでん返しのオンパレードで、それが本書の魅力となっている。
あとは、エウジェニデスがいかに従者や近衛兵のいじめをかいくぐり、彼らの目を盗んで政の策略をはりめぐらすか、というのも面白いところだろう。
本書の筋と関係ないが、エウジェニデスがこう言うシーンがある;
「安全なんてものは幻想だ、コスティス。盗人はいつ落ちてもおかしくない。神がそうしようと思う日はいずれやってくる。三階の高さの梁にいようが、階段の三段目にいようが、神の手のなかにいるのはいっしょだ。神はおれを無事でいさせてくれるかもしれないし、くれないかもしれない。ここにいようが、階段にいようが、同じなのさ」
p237
どうやらジェン達の神様は気まぐれらしい。
なんとなく日本の神様を思い出したが、考えれば「盗神伝」のモデルとなったギリシャの神々もそんな感じだ。
多神教の神は大体そうなのか!?一神教の「信じる者は救われる」系とはちと違う気がする。
素人の下手な考えはさておき、なんとなくこのシリーズ、続きそうな気がする・・・。
ソウニス王の後継者であるソフォスが行方不明、と途中で出てくるのに、最後はなんにもそれに関して触れられてなかったし。
えー・・・ 続き出たら読むのかな、私・・・
(M・W・ターナー 「盗神伝V 新しき王‐栄光‐」 金原瑞人&宮坂宏美・訳 2006年 あかね書房)
コメント
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こんにちは。 いきなりおじゃましまぁす 笑
なんか、続きはでるみたいですよ 。。
2010年の冬に、まず原書のほうが・・。
(↑かなり先ですね 汗)
ちなみに題名は(多分)「王の陰謀」!
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コメントありがとうございます。
続きが出るんですね!
しかも2010年ということは来年の冬。翻訳される頃には、それまでの話を忘れてそうな・・・
でもジェンの行く末が気になるので読みそうたなぁ
情報ありがとうございました!