いじいじする主人公が嫌いで、あまりいい評価をしなかった「RDG1」。
でも2巻が出てるのを知ると、いそいそと図書館で予約してしまったり・・・
自分で気づいたのだが、ただいじいじしている登場人物が嫌いなのではなくて、いじいじしているくせに、誰かが自分にちょっと冷たく当たると「もう!」てな風に怒るのが嫌だ。あと、そんなうじうじしているのに人にはない能力があったり、それでいてそれを十分に発揮してなくて“宝の持ち腐れ”的なのだったりすると、こっちが“もぉぉおおお~~!”となる。
そんなわけで、主人公の泉水子がとても嫌だったのだが、今回の泉水子はちょっと成長していた。
東京の高尾山のふもとにある鳳城学園に入学した泉水子は、自分のように不思議な能力を持つ人が沢山いることを知ったり、その人たちと交わることで成長していくわけだ。そしてついには;
(……他人に何かを期待しなくても、ひとりで気を取りなおすことくらいできる。すべて、わたしが自分でどうにかすることだった。どうしてくよくよすることしか知らなかったんだろう。…(中略)…自分自身の声を聞こう……だれがどう思っているかと、そればかりを気にせずに)
p267-268
と思うようになっていた。泉水子にとっては大した成長じゃないか!
うんうん 主人公の成長物語は好きよ。
内容はというと、泉水子に憑いている姫神について、また山伏についてなどなどを知るためにやってきた鳳城学園は、国家規模の超能力(といってもスプーン曲げとかじゃなくて、超自然のものを感知する力など)を温存するために作られた学校だった。
そんなわけで集められる生徒の大半は、陰陽師だったり忍者(といっても私達が想像するようなものじゃないらしいけど)だったりと、そっちサイドの少年・少女。
泉水子は同室の宗田真響や、その三つ子の弟真夏、そしてこの世の存在ではない真澄と出会ったり、一足先に入学していた相楽深行と真響と一緒に、陰陽師の血統を持つ同級生の陰謀を絶ったりする。
ある意味お約束通り、真響は美人で闊達で面倒見が良く、ファンクラブまであるしまつ。
地味な泉水子は最初は気後れするものの、段々と仲良くなっていき“友達”であることを受け入れるようなる。
でも真響たちは忍者の流れを組むらしく、いつの時代も為政者の下につくことを拒んでいた山伏の深行には、“姫神”については語らないように、と注意される。
その上、現生徒会長に呼ばれ、裏の生徒会長と対面することになり、舞も習うことになり・・・
とまぁ 謎を解きに学園に来たはずなのに、逆に謎が深まっていく展開となっていた。
早く3巻が読みたい!
<荻原規子「RDG2 はじめてのお化粧」 2009年 角川書店>
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