ブログで読みたかったなぁ:能町みね子 「オカマだけどOLやってます。完全版」


家に帰りたくなくて(家に帰ったら仕事せにゃならんから)、本屋をぶらぶらして、立ち読みして、気づいたら重い荷物を持ったまま1時間半。
その時読んだ本が「オカマだけどOLやってます。」
どういうこと!? とタイトル惹かれて読んでしまった。
もともとブログかららしく、読みやすいし、イラストとかかわいかった。
てかイラストとか字とか見て、不謹慎(?)ながら“100%女だよ!”と思ってしまった。最初、イラストは女の人が描いたかと思ったし。

内容はというと、ま、タイトル通り、下の物がついたままOLやってる筆者の話。
一応サラリーマン時代があって、でもネクタイしめるのが嫌で1年足らずで辞めてしまったらしい。
といってもその時は、いわゆる“性同一障害”だと認識していなくて(筆者自体はこの名称が嫌いで、自分のことをオカマと呼んでいる)、男として生活していた。
でもその前から、自分のことを「おれ」とか「ぼく」と呼べなかったり、顔や体型が女っぽいのもあって女物の服を着てたり、髪を伸ばしてたり、女の人に性欲がわかなかったりと、兆候(?)はあったよう。

どうやって「自分は女として認められたい」と思うようになったか、というのはなかなか興味深かった。
テレビとかでは、“自分のことを男として認識したことがない”ってのをよく聞くし、“男の人を好きになった”というのもよくある。

でも能町さんは、そういうわけではなくて、結構長く“男らしく”ってのを意識してたみたいだし、初恋も女の子(といってもキスしたい、とか手をつなぎたいと思ったわけじゃないらしいけど)。
そんな過程も面白かったけど、何よりも面白かったのが、“女になって分かったこと”の話。
本書を書いている時勤めていた会社は、まるまる「女」として入っていた。
というか、そんなことができるってのにびっくりしたけど、それはおいといて。

もちろん会社の人は誰も知らない。
「男ってばれないよな」とドキドキしながら、「女」を努めあげるのが面白い。
何が面白いって、女である私にとって割と普通のことが(気にも止めなかったことが)、能町さんにとって新鮮であり。

その新鮮ってのが新鮮だった。
“そうそう!女ってそうだよね!!”ってのが多々(人の悪口のこととか)。
これの逆バージョンあったら面白いだろうな、それはそれで。
男になって知った事実!みたいな。

この頃、いわゆる“オカマ”だとか“ニューハーフ”が多く世に出てきて、そんな目新しくなくなってきたけど、能町さんみたいにオカマであることに対して「あっけらかーん」としてるのが好感が持てた。
いやしかし・・・生理がない女の人っていいなぁ・・・


能町みね子 「オカマだけどOLやってます。完全版」 文春文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました