物語の結末より、珠星の恋の行方が気になるわ:柴田よしき 「遙都 混沌出現 City Eternity」

物語の結末より、珠星の恋の行方が気になる

また前作をちょっと忘れた頃に読み始めた「遙都」。
おかげで何人かの登場人物は「だれだっけ?」状態。何せ大量にいるし、一人ひとり割りと大事な役だし。
タイムリーで読んでる人は、新刊が出るたびに前作を読み直して読んでるのかしら?
それはさておき、

今回もわーわーきゃーきゃー、京都をはじめ、日本やら南国の島々は大変なことになっておりました。
なんか巻を追うごとに木梨香流の出番が少なくなってる気がするのは私だけ?
今回もパニック映画的なので、あらすじを書いてしまうとなんともないと思うが、とりあえずこんな感じ。

前作で黒き神々が蘇ってしまうかも、という騒動があったが、引き続き黒き神々の神官や手下たちがいろいろ悪さをしていく。しかも政府の中枢部まで浸透してしまい、危機管理委員会という名の下、戦時中の公安よろしく、自分たちに不都合な人々を収容・洗脳してしまう。

そんな中、1巻から活躍するメンバーがそれを阻止しようと奔走する、というのがメインストーリー。
黒き神々が探していた、時空を操る青の民が出てきたが、ちょろっと出てきただけであまり活躍せず。
そして1巻で大暴れをした、お騒がせの紅姫も自我を失くした状態でちょろっと出てくる。そんでもって、宇宙から来た同族・火妖族の男とどっか行ってしまう(といったら身も蓋もないけど)。

2・3巻と、1巻で妖怪と戦ったのに対して、宇宙人と戦っているわけだが、妖怪についてちょっと面白いな、と思った部分がこれ;

「ところが、京都で実際にヒコクー、或いは水虎と呼ばれる河童の化け物を目撃した人々は、まったく抵抗なく妖怪というものを信じ、あれがそうだったのだと証言しているんですよ。吉川さん、わたしはその点が最も注目すべきことだと考えています。つまりですね、妖怪という存在は、これが妖怪なんだよと誰かに教わらなくても、見たらわかるものだということです。何と言えばいいのかな、妖怪という概念は、実は我々にとって、後天的な知識の上に成り立ったものではんく、本能的な部分から生まれたものではないか、ということなんです・・・(中略)・・・物体であって概念でもあり、そして条件によって規定される存在ではなく、見たらそうだとわかるもの。」

(p317)

この巻でひと段落つくのかと思いきや、肝心なところは解決されていないし、まだ続きそうだなと思っていたら、本当にまだまだ続くみたいです。
はやく読み終わりたいな。
もう面白い云々よりも、義務感でいっぱいな感じデス。


柴田よしき 「遙都 混沌出現 City Eternity」 2002年 徳間書店

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