いまどきの子どもは“タチ”って知ってるものなの!?:香月日輪 「妖怪アパートの幽雅な日常2」


1巻がおもしろくて、会社帰りに図書館に寄ろうかと思ったほどの「妖怪アパートの幽雅な日常」。
結局行くことはできず、週末に行ったのだが、そのまま一気読み。
思うに、読みやすいところと(子どもの本だからね)、面白いのと(妖怪好きだからね)で、仕事が忙しい今日この頃にはぴったりの読み物なんだろう。
ダレン・シャンにはまったのと同じ心境だな。
本書は、1と3のつなぎという印象を受けた。

というのは、話がきっかり終わることなく、<つづく…>といった感じだったのだ。
夕士は無事に妖怪アパートに舞い戻ることができ、また元のにぎやかな生活を楽しむことになる。
そんなときに、新たなキャラが登場する。

彼こそが「古本屋」で、話の発端を持ってくる。
それが魔導書の『小ヒエロゾイコン』。ちょっと怪しい気がしたので、秋音が師匠のところへ持っていこうとしたが、本の中の案内人「フール」は夕士の前に現れる。
夕士は最初こそ本気にしなかったが、「フール」はちょこちょこ現れる。
その本から精霊などを召喚できるのだが、出てくるものどもはなんともへたれな感じ…。
まぁでも、夕士の体に負担がかかるので、春休みは秋音による精神の特訓が始まる。
それと同時に、親友の長谷が夕士に会いに来る。

そこで夕士は長谷に妖怪アパートのことを話し、長谷は訪ねることとなる。長谷の反応が心配な夕士。
ずっと平気なそぶりをしていた長谷だが、トイレから出たところで貞子さんと呼ばれる、顔の無い幽霊を見て怯える。
それを見て夕士が逆にほっとするのが、リアルで印象的だった。
ところでちょっと気に入った文章をあげると;

 夕闇が落ちてきた庭には、葉陰に、花陰に、染みたような光の明滅が起こり始める。

“夕闇が落ちる”っていう表現は時々見るが、やっぱり好きだなと思う。
3を早く読みたい!


香月日輪 「妖怪アパートの幽雅な日常2」 2004年 講談社

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