タイトルの第一印象は酒のつまみという己の低俗さ:寺田寅彦 「柿の種」


偶然にも続けて夏目漱石の弟子の本を読み終わった。
寺田寅彦の「柿の種」は、漫画「本屋の森のあかり」に出てきた本で、その中で

棄てた一粒の柿の種
生えるも生えぬも
甘いも渋いも
畑の土のよしあし

という文が引用されていて、それに引かれて買ってみたら、非常にあたりだった!
常々、「本屋の森のあかり」に出てくる本を制覇してみたいと思っていたのだが、初めてそこに出てきた本を読んでみたら面白かったので、近々実現したいと思ってきた。
それはさておき、本書の中身はというと、随筆というよりも寺田寅彦のメモ書きのような感じで、そこがまた新鮮だった。
なにせ、物理学者であり俳人であり随筆家でもあったのだから、そのメモ書きとなると多彩にわたって、実に面白い。
と、ここで面白いと思った点をつらつら並べるのも、野暮だと思うので、短いがここらで〆ておく。
何せ本書は『なるべく心の忙しくない、ゆっくりした余裕のある時に、一節ずつ間をおいて読』むのに適している本だから。


寺田寅彦 「柿の種」 1996年 岩波書店

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