フルカラーってのが大変よかった:高階秀爾 「誰も知らない「名画の見方」」


「日本美術を見る眼」に感銘を受けてから高階秀爾氏のことがいつも気になってた私は、ある時雑誌の新刊紹介で『誰も知らない「名画の見方」』が出たと知り、さっそく本屋に駆け込んだ。
読んでみて正直な感想は、あまりに入門すぎた、ということ。
初心者にはいいかもしれないけど、私には物足りなかったな。
「名画を見る眼」と同じ感じかと思っていたんだけど…
観点は興味深かっただけに、それが深いところまでいかずに残念だった。
目次は以下の通り;

第一章 「もっともらしさ」の秘訣
 白い点ひとつで生命感を表現したフェルメール
 見る者を引き込むファン・エイクの「仕掛け」
 影だけで奥行きを表したベラスケス
第二章 時代の流れと向き合う
 激動の時代を生き抜いた宮廷画家ゴヤ
 時代に上が抗った「革新的な農民画家」ミレー
 時代を代弁する告発者ボス
第三章 「代表作」の舞台裏
 いくつもの「代表作」を描いたピカソ
 タヒチでなかれば描けなったゴーガンの「代表作」
 二種類の「代表作」をもつボッティチェリ
第四章 見えないものを描く
 科学者の目で美を見出したレオナルド・ダ・ヴィンチ
 人を物のように描いたセザンヌの革新的な絵画
 音楽を表現したクリムトの装飾的な絵画
第五章 名演出家としtの画家
 依頼者を喜ばせたルーベンスの脚色
 演出した「一瞬」を描いたドガ
 絵画の職人ルノワールの計算
第六章 枠を超えた美の探究者
 女性の「優美の曲線」に魅せられたアングル
 見えない不安を象徴したムンクの「魔性の女性像」
 イギリス絵画の伝統を受け継いだミレイ
第七章 受け継がれるイメージ
 カラヴァッジョのドラマティックな絵画
 働く人々を描いた色彩画家ゴッホ
 西洋絵画の歴史を塗りかえたマネ
第八章 新しい時代を描き出す
 人間味あふれる農民生活を描いたブリューゲル
 新しい女性像を描いたモリゾ
 20世紀絵画の預言者モロー


高階秀爾 「誰も知らない「名画の見方」」 2010年 小学館

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