ぶたぶたさんという名前がまた愛らしい…:矢崎存美 「キッチンぶたぶた」


昨日、人生第二回目の本の交換会に行ってきた。その時にトレードしてもらった内の一冊が「キッチンぶたぶた」。
表紙は超かわいいブタなのに「このブタはこんな可愛いけど、42歳のおっさんです」という紹介に魅かれて代えてもらったのだ。ちなみに「永遠の0」と代えてもらったのだが、何という差。こういうのが交換会の面白さなんだろうけど。

それはさておき。
これはシリーズになっているようで、あとがきによると12冊目だとのこと。
ぶたぶたというのは、表紙に出ているブタのことなのだが、なにかというとずばり“ブタのぬいぐるみ”。

紹介によると、シリーズごとにシチュエーションが変わるらしいのだが、今回のシチュエーションは、ぶたぶたさんがコックさん、という設定。
四編入っているのだが、収録されているのは以下の通り;

  • 初めてのお一人様
  • 鼻が臭い
  • プリンのキゲン
  • 初めてのバイト

どれもさらりと読める話で、なごみ系の話。
何せぶたぶたさんがかわいらしい。頑固おやじに

「そんな点目で『どうしても手伝いたいんです』とか言われたら、断れないだろ……」

(p213)

と言わしめる可愛さらしいし。
でも中年のおじさんで、しかも奥さんも居れば娘が二人居るってんだから、笑ってしまう。
私が一番好きな話は「初めのバイト」という話だったのだが、ひょんなことで主人公の若葉が、ぶたぶたさんの正体も知らずにぶたぶたさんを捜すというタスクを負ってしまうのだが、読者はぶたぶたさんの正体をもちろん知っているわけで、調査を進めるたびに頭の中で「?」を増やしていく若葉を見るのは単純に面白い。

大人の絵本(絵はないけど)といった感じの本だった。


矢崎存美 「キッチンぶたぶた」 2010年 光文社

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