著者近撮って止めた方がいいと思うんだけどな…:高橋克彦 「竜の柩1 聖邪の顔編」


本交換会にて「QED 六歌仙の暗号」と交換してもらった「竜の柩」。
ずっと気になっていて、読む本リストに入っていたのだが、図書館にいくと必ずと言っていいほど1巻がなく、ずっと読む機会に恵まれていなかった。
「QED 六歌仙の暗号」と交換して欲しい、と言われた時には即答してしまいましたよ、はい。
実は高橋克彦氏の作品を読むのも初めて。
ワクワクしながら読んでみたら…
竜というから、竜好きな私としてはすごい期待していたのだが、予想していたのとは違うアプローチでちょっととまどった。でもそんなとまどいは束の間、するする読めてあっという間に一巻読み終えた。
感触としては、柴田よしきの「炎都」シリーズみたい。といってもこんなテイストの作品は、普段あまり読まないので比較対象が「炎都」シリーズくらいしかないんだけど…

主だった登場人物は、テレビ番組を作る会社「アクト・ナイン」のメンバー。
この会社の裏には、大物である宗像という老人がいるのだが、その宗像からの要請で津軽の方まである調査にやってくる。
宗像が津軽にて所有する山を破格な値段で買い取った会社があり、その会社の意図を探って欲しい、という要請で、義経北方伝説の調査を隠れ蓑にやってきたのだった。
それが巡りに巡って“竜探し”になる。
そしてTVディレクターである九鬼虹人によれば、竜こそが宇宙船であり、古事記にも載っている神々にまつわる伝説こそ宇宙人到来を示しているというのだった。
それを、津軽と出雲の類似点、挙句の果てには東洋と西洋との類似点を指摘しつつ証明立てていく。
それと並行して、宗像と敵対する(らしい)組織が、宗像たち「アクト・ナイン」の動向に探りを入れてくる。

といったふうに、ちょっとハードボイルドな面もありつつ、SF的歴史ミステリーの話が織りなされる。
この証明立てていくのが大変面白かったのだが、あまりにスケールが大き過ぎて、ここで説明するのが面倒なので割愛する。
その代わりに、超どうでもいいところで同意してしまったところがあって、それは“マンナ”の説明部分で;

「今でも聖体拝受の儀式に使われます」
「あのエビセンのような丸い煎餅かい」
 東が神をも恐れぬ比喩を用いた。

(p357)

というところ。そうそう!そうなんだよ!というか、よくエビセンでその儀式の「ごっこ」をしてたよ!って私の方がバチアタリね…と思ったのだった。
サクッと二巻に行きますかね~


高橋克彦 「竜の柩1 聖邪の顔編」 平成9年 祥伝社

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