ジャッカルがのんびりしていたことしか覚えていなかった…:フレデリック・フォーサイス 「ジャッカルの日」


割とフレデリック・フォーサイスが好きなのだが、一番最初に読んだ作品が「ジャッカルの日」だった。
それで今度本の交換会なるものがあるので、それに「ジャッカルの日」を持っていこうと思ってはたと思ったのが、話をあんまり覚えていないこと。ということで再読しました。

実は一回目に読んだ時は原作で読んでいた(かなり四苦八苦した)のだが、本当に私は理解していたのか?というくらい、政治に部分が難しかった……
それでもジャッカルがかっこいいと思うのは変わらなかったけどね。

政治の部分が難しかったとは言えども、ストーリーラインはいたって簡単。
つまり、ジャッカルと呼ばれる殺し屋が、フランスの大統領シャルル・ドゴールを殺すよう雇われる。
それを知ったフランスの警察が、名前も分からない外国人による暗殺計画を阻止しようと東奔西走する話。

この話の魅力的な部分は、現実とフィクションが入り混じっていること。
まずジャッカルを雇ったOASという組織は実在していたし、もちろん標的シャルル・ドゴールも実在人物。しかもシャルル・ドゴールは何度も暗殺されそうになったという事実がある。

そしてジャッカルの暗殺への準備の過程のリアルさといったら半端ない。パスポートの偽造方法まで事細かに描かれている。

すべては著者フレデリック・フォーサイスが元ロイター通信の海外特派員だったから為せた技だとも言えるだろうが、素状の知れない(読者にも)ジャッカルという人物をあれほど生き生きと描けるのは大したもんだと思う。

ただ一つのリアルさに欠けるところは、イギリス警察官が割と素晴らしく書かれていること。ま これはイギリス人が書いたんだからしょうがない、とするか。
てなことを、紹介すればいっかな。


フレデリック・フォーサイス 「ジャッカルの日」 篠原慎・訳 昭和54年 角川書店

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