ロックだけではなかったけれど:大森庸雄「ロック豪快伝説」

これまた三浦しをんさんのお勧め本;「ロック豪快伝説」

図書館で見つけた時、「しをん姉さんの勧めといえども、本当に面白いのかしらん」なんて思って借りるのに躊躇した。何せ芸能関係に明るくない私が、ロック伝説を読んで楽しめるのか甚だ謎だったのだ。

でも、ぱらぱらとめくった時にフレディ・マーキュリーについて書かれている章を見つけて、クイーンファンとしては読まなくては!と思って借りたのだった。

読んだ感想はというと。

すごい!!!!!の一言に尽きる。
とにかくすごい。何もかもすごすぎる。豪快すぎるわ!

参考までに目次を引用すると

  • フレディ・マーキュリー「華麗なるロック人生」
  • キース・リチャード「天国に1番近かったギタリスト」
  • ジェームス・ブラウン「ショービズ界1の働き者」
  • ジミ・ヘンドリックス「ギターだけではなかったテクニシャン」
  • テッド・ニュージェント「野人的生活」
  • マスターP「ゲットーのビル・ゲイツ」
  • M.C.ハマー「東京ドームを一杯にした元野球少年」
  • ジョン・アンダーソン「異次元との交流」
  • ポール・マッカートニー「世界1のスーパーリッチライフ」
  • イギー・ポップ「ロック界1のマッチョマン」
  • プリンス「こだわりの殿下ライフ」
  • ミック・ジャガー「巨大ビジネス帝国のカリスマ」
  • ロッド・スチュワート「元サッカー選手はブロンドがお好き」
  • ゲイリー・ニューマン「スパイ疑惑」
  • ニール・ダイアモンド「ショービズ界最大の慰謝料を支払った男」
  • アリス・クーパー「ステージで首吊り!?」
  • エリック・クラプトン「悠々自適ゴージャスライフ」
  • トミー・リー「空飛ぶドラムとセックスとヴィデオテープ」
  • ジミー・ペイジ「オカルトに魅せられしギタリスト」
  • オジー・オジボーン「億万長者への道のかげにやり手妻」
  • エルトン・ジョン「やっぱりゲイが好き」
  • キース・ムーン「壊し屋ドラマー」
  • マイケル・ジャクソン「ピーターパンになれなかったスーパースター」
  • ジェニファー・ロペス「セレブを満足させる男の条件」
  • セリーヌ・ディオン「現代のマイ・フェア・レディ」
  • シェール「キラメキの男性遍歴」
  • マライア・キャリー「憧れのセレブライフ」
  • コートニー・ラブ「日本でストリッパー?」
  • ビョーク「氷の国が生んだポップスター」
  • マドンナ「過激なゴシップガール」
  • ブリトニー・スピアーズ「スーパーアイドルの作り方」
  • エアロスミス「クレージーライフ」
  • レッド・ツェッぺリン「王者のストレス発散法」
  • レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「豪快シモネタ集」
  • キッス「バンドの蓄財法はオレに聞け」
  • ガンズ・アンド・ローゼズ「暴動と暴徒の日々」
  • ZZトップ「大テキサスのセールスマン」
  • デュラン・デュラン「自慢のムスコを披露!?」
  • ディープ・パープル「ステージ上の性戦と霊界との交信」
  • ミリ・ヴァニリ「前代未聞のグラミー賞剥奪事件」
  • メタリカ「鋼鉄の男たちの挽歌」

なんだか行稼ぎのようになってしまったが、こんなにもスターたちを扱っているのだ。

しかしその伝説を分類するなれば、「大金の使い方」「下半身の話」「暴れまくる話」「ドラッグの話」くらいなもの。それなのに十人十色、それぞれ違ったエピソードを持っているのだ。本当にこれには舌を巻いた。こんなところでまでも個性を出さんでも・・・と思いつつも、いやいやだからこそ一世を風靡したのかと思いつつ。

本当にひょえ~~~~な話が延々と続くのだが、作者の大森さんのツッコミも面白い。例えばポール・マッカートニーの話;

ポールとリンダのマッカートニー夫妻は、出かけたレストランのいけすにロブスターが入っているのを見ると、調理される運命を不憫に思ったのである。で、どうしたかというと、全て買い占めて海に返してしまったんだそうだ。素晴らしきかな動物愛。ロブスターを楽しみにしていたお客さんは大迷惑だ。ていうか、いけすがあるってことはどう考えてもシーフードレストランだろうに。最初っから行くなよってこと。

p48-49

こんな調子で「ひょえ~~~」なエピソードがつづられているもんだから、すいすい楽々と一気に読み終わってしまった。
こんなにもお金を湯水のように使えるってのもすごいよなぁ、だとかこれを読むと小室哲也なんて可愛いもんだよね(比べるなという話ですが)、と思いながら読んでいたら、なんだか頭がぼーっとしてしまった。

とにかく、もうこの人たち違う人種だわ。

(大森庸雄 「ロック豪快伝説」 2004年 文芸春秋)

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