そういえば、昔、舞妓さんになりたかったなぁ:旗智優子 「「和の仕事」で働く」 

図書館にて「和」のコーナーなるものがあって、なんとなく面白そうだったので、「和の仕事」を借りてみた。

和の職人さんのインタビューだというので、純粋なるインタビュー集だと思ってた。ところがどっこい。職業斡旋といか、職探ししてる人の指南書でしたよ!私にはちと、というかかなり(!?)遅すぎだよ、と思ったけれど、ま、せっかくなので読んでみた。

いやぁ~ みなさん、10代半ばくらいでよく「一生、この仕事をしよう!」と決心したよなぁ。本当に感心です。
確かにこんな本をタイトルでつられて借りてきてしまうくらいなので、いわゆる“職人さん”仕事には昔から大変興味がある私。興味があるというより尊敬していると言ってもいいくらい。
手先は器用なので、仮に修行始めたとしても親方に「悪いことは言わなエ。今からでも遅くないだろうから、違う仕事探しな」と言われることはないと思う。

しかし、私には「根性」というものが欠けているということを、重々承知しているので、職人になろうと思うなんて1光年くらい早いのだ。「根性」がないというよりも、根気がない、飽きっぽい。もう全然ダメ。

多分、だからこそ職人に憧れるんでしょうね。

「一度、私の計量が不正確だったばかりに400個のドラ焼き用生地をむだにしてしまったことがあります。『生地がドロドロで、焼いてもぜんぜんかたまらないぞ』と先輩に怒鳴られ、ようやくミスに気づいたんです。その先輩は生地こねの段階で計量が正しくないことに気づいていたはずですが、あえて注意しなかった。たとえ生地をむだにすることになっても、私に『正確な計量の大切さ』をたたきこもうとしたんでしょう」

p24

なーんていうのも、職人世界の極意でしょう。本当にこんなことがあるんだ、と感心しつつ、なんかそういう教え方というか生き様ってかっこいい、と思いつつ、でも私は無理だー、と不甲斐なくも思ってしまう。

ここに書かれている仕事は、本当に気の遠くなるような緻密さや正確さや経験や、それに伴う苦労を必要としているものばかり。というかそれしかない。それでもひたむきに究極を目指している人がいる。こんなちゃらんぽらんな生活をしている私からしたら、この人たちが「うらやましい」、その一言に尽きる。

(旗智優子 「「和の仕事」で働く」 2006年 ぺりかん社)

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