血液型についての言及が地味に受けた:Colin Joyce “How to Japan, A Tokyo Correspondent’s Take”

An Englishman in N.Y.“と一緒に買ったのが“How to Japan”だった。
“An Englishman in N.Y.”が全然面白くなかったので、なんで2冊も買ったんだろう…?と失敗した感が募ったのだが、読んでみたらこちらは面白かった。

期待をまったくしていなかったからなのか(むしろモチベーションが下がってたし)、日本というよく知った国についてだったからなのか…

でも客観的に見ても“How to Japan”の方がパンチがきいていたと思う。
思うにどちらもターゲットが日本人で、日本について書くとなれば日本人は“外国人が日本をどんな風に見ているのか?”を知りたくと読むのだから、いいことばかり書かなくてもシニカルに書いてもいい(むしろこっちの方が期待されているかも)。なにせ“ここが変だよ日本人”なんていう番組があって、見てる人も多かったんだから。

対してニューヨークについて日本人に書くとなれば、ニューヨークを皮肉るなんてなかなかできない。やっぱりブラックジョークというのは、その対象についてある程度の共有した認識が必要だと思うからだ。ニューヨークのことをほぼ知らない日本人(私もしかり)を対象にシニカルなコメントをしたところ、“ふーん、そうなんだ”となってしまって、そこにユーモアは生まれないと思うのだ。

そんなわけで、日本の変なところも書いてあるのだが、しきりに書いてあるのが“いかに日本人がいい人か”ということ。
紳士=イギリス人という認識があるけど、とんでもない。イギリスでは見たことないけど日本では見たことがあるという。

Perhaps Japanese take this kind of thing for granted. But I feel in Japan a sense of community still prevails, kept alive in part of small local stores.
The thing about good manners is that they are contagious. I believe that every time a preson is exposed to such courtsey it inspires him to try match that standard. THe reverse is true as well. (p53)

あと浮世絵について、そういえばそうだな、と思ったのが

So the artists worked not for a single client, nor for some vain rich man, nor for the greater glory of god, nor even in pursuit of some kind of pure individual expression. They excelled in their craft, but they attempted to create art that would sell by the thousands. (p61)

万人に対して創られた芸術というユニークさについて書いてあるのだが、まぁ当時の浮世絵を芸術と捕えるのかというのはまた別の話として、なるほどそうだな、と思った。


Colin Joyce “How to Japan, A Tokyo Correspondent’s Take”, 2009, 日本放送出版協会

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