アメリカ出張時泊まったホテルの横のスタバの店員は、思いっきし態度悪かったけどね:ハワード・シュルツ、ジョアンヌ・ゴードン「スターバックス再生物語 つながりを育む経営」

「戦略と実行」と同じ理由で読んでみようと思った「スターバックス再生物語」。
スターバックスが落ち目だったときなんて知らなかったので、“再生物語”と書いてるのに“はて?”という感じだった。
読み始めてびっくり。2008年頃から落ち始め、シュルツ氏がCEOに戻ってからもどんどん株価が下がっていたらしい。

結果、あんなにあった店舗を閉じなくてはいけない(アメリカ国内で)事態にまで陥ったというのだ。もちろんリストラもせざるを得ない。
正直スターバックスラバーではないので、スターバックスの事情をめちゃくちゃ知りたいというわけではなかったが、それでもなかなか面白かった。

一時はどん底まで落ち、色々と模索しようともなかなか上手くいかず、一度なんてマクドナルドに“おいしいコーヒーランキング”の首位を奪われ(これを読んだ時はスターバックスが落ちたんだ、という感想よりも、アメリカ人の舌は大丈夫か?と思ってしまった)、もうだめなんじゃないか?というところまでいったのに、2009年には急成長を獲得できたのだ。

ちょっと印象的だったのが、スターバックスが再生できた要因の一つにIT推進があったことだ(職業柄ね)。
それまでお店には前時代のPCしかなく、ホームページも商品のラインナップを記載するくらい。
それを最新の機器に変え、しかもお客様が意見を投稿できるサイトに変えた。

天下のスターバックスが今更IT戦略!?しかもアメリカの会社なのに!?といささか驚きを隠せなかったけれども、IT戦略の成功例の一例のような気がした。

まぁ後は、いかに策に打って出たかというのが綿密に書かれていたので、わざわざここには書くまい。てかそもそも読んでない。誰がどのような能力を持っていたので、どこのポジションに抜擢、とかあんまり興味ないし…
そこで印象的だった文章を連ねてみる;

 スターバックスのコーヒーは特別なものだ。しかし、真に提供するのは感情の絆である。
 とらえにくい概念であり、経営者は真似をするのが難しく、皮肉屋は冷笑する。感情への投資はどれだけ儲かるのか、と。わたしはその答えをよく知っている。
 パートナーがサンディーのようにスターバックスを誇りに思えば、お客様の、そして一緒に働く仲間の体験を進んで高めたいという気持ちになる。まさに、一杯のコーヒーからだ。(p154)

企業が大きくなったからといって、成功を持続できるとは限らない。わたしを魅了した大きな数―四万店舗!―は大切なことではないのだ。唯一大切な数字は“一”である。一杯のコーヒー、一人のパートナー、一人のお客様、一つの体験。(p200)

あれ、もっとあると思ったら2文ほどしか印を付けていなかった…

正直、スターバックスの騒動をめぐっては感動的なシーンは多々あった。
例えば店舗を閉鎖すると発表した時に、お客様から次々と“私の”スターバックスは助けてください、という嘆願が寄せられた、とか。

でもいかんせん、シュルツ氏が多弁すぎる。こんな分厚くなくてよかったんじゃないか?というくらい。
アメリカ的なのかもしれないけれども、一つの問題点、一つのアイディアを語るのに装飾的な文章が多すぎる。

最初の方は“なかなか面白いじゃないか、どう解決していったんだろう”とワクワクしていたのに、こうもだらだらと書かれてはうっとうしくなってしまった。
シュルツ氏のスターバックスへのあふれる愛ゆえになのかもしれないけれど…


ハワード・シュルツ、ジョアンヌ・ゴードン 「スターバックス再生物語 つながりを育む経営」 2011年 徳間書店

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